かれこれ十年はお世話になっている美容師さんが、今月はじめに美容室をオープンしたので、はじめてお店(『Tasha』)に行ってきました。
ヘッドレストがぐにゃぐにゃ動くシャンプー用のチェアがとても印象的でした。
あ、いや、もちろんそれだけでなく、スタッフのみなさんとお店の雰囲気は抜群ですので、ぜひ一度。
しかし考えてみれば、十年お世話になっているとは言っても、髪を切るのはせいぜい二、三ヶ月に一回、一年で計五回ほど、十年で計五十回程度ですか。
一回のカットが一時間ちょっとくらいですから、顔を会わせているのも時間にして六十時間、日に直せば三日弱。
あれ? 集約してしまえばそんなもんなんだ、とちょっとびっくりですが、フト、人間関係というものは会っている時間よりも、むしろ会っていない時間に醸造されるものではないかと思った次第。
それで思い出したのが、うちの妻はこのご時世にめずらしく、かたくなに携帯電話を所持するのを拒み続けているということ。
わたしが持たせようとしないんじゃないんですよ!
買ってあげるから持ちなよ、と言ったら、いや、あたしはいらない、とキッパリ拒否。
携帯を所持することで、四六時中誰かから連絡が来る可能性があることが、どうにも不自由で煩わしく感じるとのこと。
いや、わたしだって、できれば携帯電話なんて持ちたくないんです。
一昨年、さすがに社会人として一台くらいは持っていたほうがいいかな、とヘンな色気を出して買ってみたものの、やっぱりコレいらない。
あればあるで、メールをしたり、待ち合わせで電話をしたりと便利ではあるのですが、そんなのほんの十年前は、みんな待ち合わせ場所と時間を決めて、きちんと会えていたわけですし。
そういえば、ちゃんとADSL回線を引いてパソコンを持ったのも、ここ数年のこと。
メールが使えるようになって、たしかにこりゃ便利とは思いましたけれど、それまで友人とは手紙や固定電話で不自由なく連絡を取れていましたし、パソコンや携帯電話を持っていないからといってイジメられたこともないですし。
近所の某バーのマスターなんて、携帯電話はさすがに持っているけど、パソコンは持っていないとのこと。
それでも話題豊富でとても魅力的な人です。
我が社のぽんださんだって、携帯電話を持っていますが、メールとかサイト閲覧とかいまだに使い方を知らないって言っていましたし。
彼の知性や人間性についてはよくわからないです。
つまり、最近だんだん、人間関係の醸造期間というものが失われてきているのではないかと。
会っていない期間にこそ、彼や彼女ならこういうときどういう考え方をするだろうか、またどういう反応するだろうか、とあれこれ想像して相手を理解しようとするところが面白いのではないかと。
で、また実際に会ってみて自分の予想とは違う行動パターンや反応を見せられ、あーこの人こういう人だったんだ、と新しい発見があったり。
というわけで、人間同士には、じつはしなくていいコミュニケーションがいっぱいあるんじゃないかと思った今日この頃なのでした。
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